花札は古くから遊ばれている日本伝統のカードゲームで、近年では映画の題材に使用されたりと人気が伸びてきています。しかし、花札には「点数」や「月」が明確に示されていないために札の情報を視覚的に得ることが困難であり、多くの「役」も覚えなければならないため、初心者にとって手を付けづらいゲームとなっています。
そこで、本研究では画像認識と拡張現実技術を応用し、札や役の情報を視覚的に与えることで花札初心者を支援するシステムを開発しました。
本システムの流れは図のようになっています。手札撮影後、プレイヤーは手番が回ってくるたびに場札や山札を撮影します。システムは撮影された画像の中から札を認識し、それぞれのがら部分を抽出した後、花札特有の絵柄を利用した逐次判別法を用いて札を特定します。その後、札の組み合わせにより獲得できる点数や役を撮影画像の該当する札の上に可視化することで花札初心者を支援することが可能となっています。
また、今回考案した逐次判定法は、全48種類存在する花札をどんな札でも最大14回の判定方法で特定することを可能としています。
札の画像認識部分はもちろんのこと、札同士のがらの違いを見つけ出し、より少ない回数で札の特定ができるような判別方法を考え出すのに苦労した。